ストロボを被写体に直接向けて発光させると被写体の後ろに濃い影ができたり、肌の質感がのっぺりと立体感なく写ってしまう。ただし、バウンスさせることでそれらを軽減したり、コントロールすることができるので、そのお話。
1.バウンスとは?
ストロボの発光部を壁や天井などへ向けて、その反射光で撮影すること。出張撮影では発光部が回転するクリップオンストロボを使うとバウンスができて便利。私が使用しているのはCanon 600EX-RTなど。
2.バウンスする時は反射面の色に注意する
反射させる面(天井、壁)の色が反射光に影響する。白なら問題ないが、木製や色の付いている場合、その色が被った反射光となるのでフィルターなどを用いてホワイトバランスをマニュアルで設定するなどの対応が必要になる。鏡もバウンスが効かないので注意。
3.天井バウンスをする時は段差に注意
被写体とカメラの間に天井高の差がある場合、バウンスした光が被写体に届かない場合もある。反射面の色だけでなく、段差など周りの様子にも注意する。
4.被写体の前後の光量差に注意
被写体が2列、3列に並んでいる時は手前と奥での光量の差が大きくなるので、なるべく列全体の奥行きが深くならないように留意する。
5.ストロボの光が届く範囲を把握しておく
バウンスにすると光の届く範囲が短くなる。光量が足りない場合はISOを上げるか、被写体に近づいて撮影する。
6.キャッチライトが入らない
バウンスしただけではキャッチライトが入らないので、キャッチライトパネルを使う。縦位置で撮影したい場合はキャッチライトパネルを自作してストロボ発光部につけて撮影する。
画像を確認しながら撮影、調整を繰り返すと徐々に勘所がわかってくると思います。ストロボの光量はTTLでも綺麗に写ると思います。ただ、TTLは画面内の絵柄によって発光量がまちまちになるので、マニュアルでの発光量が把握できると、いざというときに安定した撮影が可能です。